川の中を歩く夢を見た場合、そこにはどんな意味があるのでしょうか。
そもそも睡眠中、特にREM睡眠時に脳は日中の経験を処理し、重要な記憶を強化・定着させる作業をしていると言われています。夢はこのプロセスの副産物である場合もあるため、夢を見たからと言ってすべての夢が何らかのメッセージ性を有している訳ではありません。
けれど私の経験上、朝起きて夢が記憶に残り、何となくその内容が気になるものであった場合、夢が何かを伝えようとしている確率が高いように思います。
このブログにたどり着いたあなたも、川の中を歩く夢を見て、それがどうも気になってしょうがない…という状況なのではないでしょうか。
では、あなたが見た夢にはどんなメッセージが隠されているのでしょうか。それは、「川」が一般的に何を象徴しているか、また、あなた個人が「川」に対してどのようなイメージを持っているか、さらにその「川の中を歩く」という夢の具体的な内容がどうだったのかによって変わってきます。
川は一般的には何を象徴しているの?
川は、一般的には以下のようなことを象徴していると考えられます。
人生の流れ、時の流れ
川は絶えず流れ続けることから、「人生の流れ」「時間の経過」を象徴しています。
そのため例えば、濁流の川の流れの中を歩く夢を見た場合、夢主さんが自身の人生を厳しいものだと感じている可能性があります。
感情の流れ
水は常に形を変えて流れることから、感情の移り変わりや心の動きを象徴しているといわれます。川は水の集まりなので、川も感情を象徴するものと考えることができます。
ここから例えば夢の中で歩いている川が、急流になったりなだらかな流れになったりしていたとすれば、夢主さん本人あるいは夢主さんが気にしている誰かの感情の揺れの激しさを象徴している可能性があります。
浄化・清め
インドのガンジス川は、多くの人々が沐浴する場として知られています。このように、川は体を「洗い清める」場を象徴することもあります。
そのため、例えば清らかな川で歩きながら体も洗っているような夢を見た場合、心身を浄化したい、整えたいと感じていたり、あるいはその必要性を夢が教えてくれている可能性があります。
境界線・分岐点
川は地域や国の境界となっていることもあります。ここから川は「分岐点」「新しい段階への移行」を表している場合もあります。
例えば、誰かに追われて川の中を歩いている夢を見た場合、現実の生活で新しい段階へ移行する必要性を示唆しているかもしれません。
無意識の世界
ユングは「深い水は無意識を表す」(1968年『分析心理学』)と述べています。そこで、川は「無意識の流れ」「潜在意識からのメッセージ」を表すこともあります。
例えば夢の中で広い川の前で立ち往生していたとします。渡る方法が見つからないので意を決して川の中に足を踏み入れると、水は思ったよりも深く、途中で立ち止まってしまった。このような夢を見た場合、現実の生活で進もうとしていたことが、うまくいかないことを暗示している場合もあり得るということです。
川に対してあなたが持つイメージは?
ただし、夢に出てきたものは、一般的な意味の他、夢を見た人自身のイメージも重要になります。
あなたは、川に対してどんなイメージを持っていますか?
例えば、川を見て「怖い」「危険」と普段思っていたとしたら、夢の中に出てきた川は、「困難な状況」「危険な状態」を象徴している可能性もあります。
また、子どもの頃によく遊んだ川があれば、夢の中の川はその頃の思い出や「懐かしさ」「純粋さ」を暗示しているのかもしれません。
私自身は川に対していくつかのイメージを持っています。両親の実家の近くに川があったため、「両親の実家のある場所(=癒しの場所)」というイメージの他、大学時代に近くの川の「親水」面について調査研究をしたことがあったため、「交流の場」としてのイメージも持っています。
過去に川の中を歩く夢を見たことがありますが、そのときはストレスが溜まっていた時に見たものでした。夢の中の川が気持ちよかったため、数日後思い切って仕事を休み、実際に両親の実家の近くまで行ってリフレッシュしてきました。
川の状態と歩く様子による解釈の違い
川の中を歩く夢の解釈は、川の状態やあなたの歩き方によっても大きく変わります。
私の経験上、夢の中の水の状態(澄んでいるまたは濁っている、激流、または流れが止まっている状態)は、現実の自分の心理状態と高確率で連動している気がします。
穏やかで清らかな川を気持ちよく歩いている場合
人生が順調に流れていることや、心が浄化されていることを示唆している可能性があります。新しいスタートを切る準備ができているサインかもしれません。
濁った川や激流の中を苦労して歩いている場合
現在の人生に困難があること、感情が乱れていることを暗示している可能性があります。
川底がはっきり見える浅い川を歩いている場合
自分の気持ちや状況を冷静に把握できていることを表しているかもしれません。
深い川を恐る恐る歩いている場合
未知の状況に対する不安や、無意識の世界への恐れを示している可能性があります。
夢に川の中を歩くシーンが出てきた場合の具体的な解釈例
それでは、ここからはより具体的な夢と、それについての私なりの解釈についてお伝えします。
これは私が実際に見た夢です。
家の近くの川を眺めていた。色々な魚や生き物がその中にいるのが見える。思い切って川の中に入り、歩いてみた。魚や色々な生き物は、私の脚を突っついたりぶつかってきたりした。けれどさほど強い力ではなかったので、私は自分の思う通りに川の中を歩くことができていた。「川の中も意外と歩きやすいものだ」と感じたところで目が覚めた。
この夢に対する私自身の解釈は以下の通りです。
まず、「川」が何を象徴しているか、については上記の一般的な意味の可能性もありますが、「交流の場」ではないかと考えました。というのも、前述のように私は「川」に対して「交流の場」というイメージも持っており、夢の中で川にいた色々な魚や生き物が、人間と同様の意思を持った存在として感知していたからです。
次に「思い切って川の中に入り、歩いてみた」のは、新しい人間関係に入っていくことを示唆しているのだろうと考えました。
そして、「魚や色々な生き物は、私の脚を突っついたりぶつかってきたりした。けれどさほど強い力ではなかったので、私は自分の思う通りに川の中を歩くことができていた。」という部分については、新しい人間関係の中での交流は、ぶつかることがあってもそれほど自分自身にダメージを与えるものではないことを示唆していると感じました。
私は私の思うように人付き合いをこなしていける。「川の中も意外と歩きやすいものだ」と夢の中で思ったことは、対人関係の構築に過度の不安を抱く必要はないことを夢が教えてくれたのだろうと思います。
まとめ
夢の中で川の中を歩いた場合、一般的にはそれは「人生の流れ」「感情の変化」「心の浄化」「人生の分岐点」「無意識からのメッセージ」などを象徴しています。自分が人生の流れに身を任せていること、新しい段階に入ろうとしていること、等を示しているといえます。
ただし、夢主にとって、川は別の意味を持つ場合、その意味の可能性も含めて解釈する余地があります。
また、川の状態やあなたの歩く様子によっても解釈は大きく変わるため、夢全体の印象を大切にして解釈することが重要です。
この記事が、「川の中を歩く夢」を見たあなたの夢の解釈の一助となれば幸いです。
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