日々の夢は、単なるイメージや物語ではなく、心の状態を映し出すログのような働きをしています。特に忙しい時期やプレッシャーのかかる局面では、夢の内容がメンタルの変化を先に知らせてくれることがあります。
こうした夢を活用した自己管理は一般の人だけでなく、世界トップレベルの著名人やアスリートにも見られます。今回はその一例として、大谷翔平選手が自らの夢をどのように捉えているかをご紹介します。
大谷翔平選手も悪夢を見る:トップアスリートの「夢活」
松田英子監修『夢の鍵 あなたの未来を思い通りに―』では、大谷選手が繰り返し見る悪夢について次のように紹介されています。
「夢ですか・・・みますよ。野球の夢もけっこうみます。一番多いのは、ライト前にヒットを打ったのに、足が前に進まない夢(笑)。水の中を走っているような感じでちっとも前に進まなくて、一塁でアウトになるんです。その夢はよくみますね。」
大谷選手はこうした苦しい夢をみるとき、自分自身が実は大きなストレスを感じていたり、精神的に追い詰められたりしているのだということを自覚するそうです。
出典:松田英子監修『夢の鍵 あなたの未来を思い通りに―』飛鳥新社、2024年、14–15頁。
大谷選手の例から明らかになるのは、
夢をメンタル管理の重要なシグナルとして扱っている
という点です。悪夢の内容そのものではなく、悪夢が現れる状況を読み取り、自分の心身の負荷を察知しているのです。これは、結果を出し続けることを求められるアスリートにとって極めて合理的な自己管理法と言えるでしょう。
夢を活かすためのポイント
大谷選手の例を踏まえ、一般の人も応用できる「夢活」のポイントを整理します。
1)夢の内容より傾向を見る
・よく出てくるシチュエーション
・繰り返し見る夢
・起きたときの感情
これらは心の負荷や未処理の課題と関連することが多くあります。
2)悪夢を「早期アラート」として捉える
怖い夢、苦しい夢は決して異常ではありません。ストレスの蓄積や環境変化など、何らかの負荷に身体が反応している可能性があります。夢から自身にかかっている負荷に気付くことで、早めの休息や相談、計画の見直しなどにつなげることができます。
3)夢を記録し、気づきを残す
メモやスマホアプリで、夢の内容と現実の生活について断片的にでも記録しておくと、
・仕事の繁忙期
・人間関係の変化
・体調の揺れ
等と夢の変化を紐づけて理解しやすくなります。
まとめ
夢に気づく習慣は、自分の内側と対話するリズムを整え、日々のコンディション管理にも役立ちます。
大谷選手のように、夢を心のセンサーとして活かすことで、より健やかに、より前向きに日常を過ごせるのではないでしょうか。

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