風が夢の中に出てきた場合、そこにはどんな意味があるのでしょうか。
もしあなたが夢を見ているときに外では強風が吹いていたような場合、脳が風の音の刺激に反応して夢の中でも風を吹かせたという可能性が高いです(これを「刺激夢」または「反射夢」といいます)。
この場合は夢が風を通じてあなたに何らかのメッセージを送ろうとしていた訳ではないと言えるので、特に気にする必要はないです。
けれど、上記のような状況がなく、夢の中で風が重要な要素となっていて、あなたの記憶に強く残ったというのであれば、夢が何らかのメッセージをあなたに送ろうとしていた可能性が高いです。
では、具体的にその夢にはどんなメッセージが隠されているのでしょうか。
それは、風が一般的に何を象徴しているか、また、あなた個人が風に対してどのようなイメージを持っているか、さらにその夢の中で風がどのように表現されていたかによって変わってきます。
風は一般的には何を象徴している?
風は、一般的には以下のことを象徴していると言われています。
1.変化
風は、自然界の中で常に変化している要素であることから、「変化」を象徴していると言われています。
2.移動と自由
風は障害物を越えて自由に移動することができるため、「移動」「自由」を象徴しているとも言われています。
3.浄化
風には空気を新鮮なものとし、不要なものを吹き飛ばす機能があることから、「浄化」を象徴することもあります。部屋の窓を開けて換気すると、淀んでいた空気が清々しくなる、その感覚です。
4.トラブル、困難
強風は人々に損害をもたらすことがあるため、「トラブル」「困難」を象徴する場合もあります。
他にも、イソップ童話の「北風と太陽」から、風には「強引」「無理やり」というイメージもあるかと思います。
さらには、ミュージシャンの「藤井風」を思い出す場合もあるでしょう。
風が夢の中に出てきたときも、上記のような意味を暗示している場合が考えられます。
風に対してあなたが持つイメージは?
ただし、夢に出てきたものは、一般的な意味の他、夢を見た人自身のイメージも重要になります。
あなたは、風に対してどんなイメージを持っていますか?
例えば、子どもの頃に風が強い日に野球をしていて、相手チームの打ったボールが風で流れ、目測を誤ってエラーをしてしまい、そのために試合に負けてしまった、という経験をしたことのある人にとっては、風は「黒歴史のきっかけ」というイメージがあるかもしれませんね。
逆に、子どもの頃凧揚げが得意だった人にとっては、適度な風は自分の得意分野を披露する格好の「チャンス」をイメージするのではないでしょうか。
このように、人によって「風」に持つイメージが異なる場合もあるため、例えば夢の中で「風が吹く野原の真ん中で自分が立っていた」という状況が、「これから何か失敗をする自分」を暗示していることもあれば、「これから何かチャンスをつかむ自分」を暗示していることもあるのです。
夢に風が出てきた場合の具体的な解釈例その1~強い風に行く手を遮られる夢~
それでは、具体的な夢と、それについての私なりの解釈についてお伝えします。
1つ目は、就職して間もない男性が見た夢です。
ビルが立ち並ぶ都心に面接に出かけた。
強いビル風が吹いており、目的地のビルに行こうとするが、風に押されて前に進めない。
前かがみになってほとんど地面に平行な姿勢になって歩くうちに何とかエレベーターの前にたどり着いたが、満員で乗ることができない。面接の約束の時刻が迫っていて焦っているところで目が覚めた―。
この夢で、私が注目したのは、
①現実では就職して間もない男性が夢の中で「面接」に行こうとしている点と、
②目的地に行くのに風に阻害されている点の2つです。
まず、就職しているのなら、面接に行く必要は本来ないはず。それなのにこの男性が夢で面接に行く、というのにはいくつか解釈の余地があります。
例えば、就職したところに満足できておらず転職を望んでいる、
就職先でどのような評価が自分に下されているかを知りたがっている
自己評価が低く、社会人の前段階であると感じている、
こういった可能性があるのではないでしょうか。
次に、目的地に行くのに風に阻害されている、という点については、先に述べた風の一般的な意味の一つである「困難」がキーとなっていると思います。つまり、自分が望んでいる状態に行くのには「困難」があってすぐには行けないことを意味している、ということです。
以上のことから、この夢が伝えたいことは
・夢主は転職を望んでいるけれども、それがスムーズにはいかない可能性があること
・職場での客観的な評価を夢主は知りたがっているが、容易には知ることができない(本人の期待する評価を聞くことができない可能性がある)こと
・職場でのストレスや不安が溜まっていて、就職する前の状況に戻りたいと思っていること
のいずれかである可能性が高いと思います。
夢に風が出てきた場合の具体的な解釈例その2~風で物が飛ばされる夢~
2つ目は、40代の専業主婦の人が見た夢です。
洗濯して干していたハンドタオルが風で飛ばされ、子どもが通っている小学校の校庭に落ちた。
その次に、旦那が職場で着ている作業着も風で飛ばされ、旦那の会社の別店舗に落ちた。
小学校では運よく自分の子どもがそのハンドタオルを見つけて戻してくれたが、作業着は店長らしき人に拾われ、何故かひどく恥ずかしくなった。
この夢のポイントは、風で物が飛ばされているというところです。
ここでの「風」は、「移動」を象徴しているのではないかと考えられます。
そして、問題は何が移動しているのか、なのですが、夢の中では夢主が洗濯していた「ハンドタオル」と「作業着」になっています。
ハンドタオルは子どもの持ち物、
作業着は旦那の持ち物です。
そして、それぞれが移動した場所がそれぞれに関係する場所であることから、
夢主と子ども、夢主と旦那との関係性がそれぞれの関係者に明らかになることを夢主は恐れているのではないでしょうか。「作業着は店長らしき人に拾われ、何故かひどく恥ずかしくなった。」
という感情描写がそのことを示唆しているように感じます。
まとめ
夢の中で風が出てきたとき、一般的には物事の変化や移動、自由、浄化、あるいは困難やトラブルを暗示すると考えられますが、夢主の個人的な風に対するイメージも考慮する必要があります。
また、同じような夢を見たときであっても、夢を見た人の状況や夢の中で抱いた感情によっても夢の意味合いは変わってきます。
この記事があなたの役に少しでも立てたら幸いです。
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