初夢はいつ見る夢?3つの考え方と私なりの解釈

ミニ知識

新年を迎えると「初夢見た?どんな夢だった?」という話題が出ることがありますよね。

でもそもそも「初夢」とは、いつ見た夢のことを指すのでしょうか。

実は、この疑問には複数の答えがあります。

今回は初夢の定義から、いつの夢を「初夢」とするかの3つの考え方、そして私の新説(⁉)まで、詳しく解説します。

そもそも初夢とは?初夢はなぜ特別なの?

初夢とは、新年に初めて見る夢のことを言います。

この初夢の内容から、その年の運勢や吉凶を占う風習が日本にあるため、初夢は特別視されているのです。

「一富士二鷹三茄子」という言葉をあなたも聞いたことがあるのではないでしょうか。

これは初夢で見ると縁起の良いものの代表格ですが、他にも初夢で見ると縁起の良いもの、あるいは見ると縁起の悪いものも多々あります。

夢で吉凶を判断する風習、すなわち夢占いは、平安時代には宮廷や貴族の間で行われていました。

例えば平安時代末期に成立したと言われている『今昔物語集』では、陰陽師に夢を占ってもらった者が妻の浮気を知り、浮気相手の従者から危うく殺されるのを免れた話が掲載されています(巻24第14話)。

ただし、「初夢」という言葉が文献に初めて登場したのは、『今昔物語集』よりも数十年後に出されたとされる西行の歌集、『山家集』だといわれています。

そして、室町時代になると正月行事が庶民にも広まるなかで初夢の風習もだんだん定着し、江戸時代になると、初夢の風習が完全に庶民文化として根付きました。

宝船の絵を枕の下に敷いて眠ったり、回文の歌(なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな)を唱えてから眠ったりして、良い夢を見ようとする風習があったようです。

初夢はいつ見た夢をいうの?従来の3つの考え方

それでは吉凶を占う「初夢」とは、いつ見た夢のことをいうのでしょうか?これについては、従来3つの考え方がありました。

①元旦の夜(1月1日から2日にかけて)

最も一般的で現代でも広く受け入れられているのが、元旦の夜に見る夢を初夢とする考え方です。新年最初の夜に見る夢ということで、理解しやすく覚えやすいのが特徴です。

この説が主流になった背景には、明治時代の暦制改革があります。太陽暦の採用により、1月1日が正式な新年の始まりとして定着し、その夜の夢を初夢とするのが自然な流れとなりました。

②大晦日の夜(12月31日から1月1日にかけて)

年が変わる瞬間を含む夜の夢を初夢とする考え方もあります。この説では、12月31日の夜に眠って、1月1日にかけて見る夢が初夢となります。

この解釈は、新年が始まる瞬間を含む眠りの中で見る夢こそが、真の「初夢」だという考えに基づいています。また、旧暦時代の名残りで、夜が更けてから新年を迎えるという感覚が影響しているともいわれています。

③2日の夜(1月2日から3日にかけて)

実は江戸時代には、1月2日の夜から3日にかけて見る夢を初夢とするのが主流でした。

この説が生まれた背景には、当時の人々の宗教観が関係しています。元旦は神聖な日であり、神様をお迎えする日なので、人間が夢を見るような俗なことはすべきでないという考えがありました。また、元旦は新年の準備や儀式で忙しく、ゆっくり眠ることもできないため、実質的に2日の夜が新年最初の安眠の夜だったという実用的な理由もあります。

特に商家や武家では、この解釈が一般的でした。

初夢はいつ見た夢をいうの?私の解釈

私自身の体験を振り返ってみると、年始に見る夢には2つのタイプがありました。

一つは、年末年始の慌ただしい出来事や人との会話が刺激となって夢に出てくる「情報整理のための夢」。

もう一つは、日常の出来事とは全く関係のない、象徴的で印象深い「無意識からのメッセージのような夢」です。

初夢占いが、その年の運勢や吉凶を知るためにされるということからすると、新年になって間もないときに見た夢であっても、「昨日テレビで見た番組の内容が夢に出てきた」「年末に会った親戚との会話がきっかけで見たと思われる夢」といった明らかに「情報整理」と思われる夢は、初夢として扱う意味がない気がします。

一方で、たとえ1月2日過ぎ見た夢であっても、日常とは全く異なる象徴的な内容で、目覚めた時に「なんだか意味深な夢だった」と感じるような夢であれば、それこそが「初夢」であり、その吉凶を調べる意味が出てくると思います。

この判断基準は非常に主観的で、ネットでもあまり見たことはありませんが、形式的な日付よりも、夢の質や内容に注目することで、より意味のある初夢解釈ができるのではないでしょうか。

まとめ:あなたはどの説を選びますか?

初夢がいつの夢かについては、このように複数の考え方があります。どれも歴史的背景や理由があり、どれが正しくてどれが間違いということはありません。

大切なのは、この1年があなたにとって良い年になるよう、初夢を活かすことです。

この記事があなたにとって有益な何かを提供できたら幸いです。

 

 

 

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